心理カウンセリングで行うこと

<心理カウンセリングで行うこと。>

 

 カウンセリングは話は聴くけれども、何もアドヴァイスもくれないし、具体的にどうしたらいいかわからないから、聴いてもらうだけなら話しても仕方ない、という感想を見聞きすることが増えました。

 

 カウンセリングでは、カウンセラーが何か指示したりすることはない、というのが定説になっているのかもしれません。

ひたすら傾聴するスタイルのカウンセラーがいるのも、事実です。

 

 ですが、全く何も言わないのかというと、そんなことはありません。

「指し図」はしない、ということです。

 

 クライエント(相談に来た方)のさまざまな悩み、課題に対して、たとえば、「これは医療機関を受診してもらったほうがよい」と判断すれば、そのようにお話しますし、「カウンセリングだけでは足りない。法的な支援も必要」と判断すれば、関係機関の利用を勧め、連携もします。

 

 それなのに、なぜ、「話を聴くだけだ」というような、ミスマッチが起こるのでしょうか。

 

ミスマッチが起こるのは、「1回で解決したい」「すぐに答えがほしい」というクライエントの方の願いが強いときのような気がします。

 

 もちろん、1回で回答が見つかることもありますが、複数回、状況をうかがったり、何が起きているのかを整理していかないと、有効な手立てが見つからない場合もあります。

 そういうときほど、クライエントの方は困っているので、「すぐになんとかしたい」「ひとまず、何をどうしたらいいか知りたい」と思って相談に行ったのに、結局どうしたらいいかわからなかった、とがっかりなさるのではないか、と思います。

 

 

 これには、カウンセラー側のクライエントの目的やニーズの把握不足も関係していると考えられますが、数ヶ月、場合によっては何年も悩んでいるようなお悩みだとしたら、1回目はまずはお話をうかがい、カウンセラーもクライエントの悩みへのアプローチを検討してから取り掛かる必要もあります。

 安易な提案がかえってクライエントの方にとって、害になる可能性もあるからです。

 

 カウンセラーは、そうした可能性も考えて、クライエントの方にとってどのような支援がよいか、考えながらカウンセリングを行います。

 しかし、だからといって、カウンセラーの一方的なリードで進めても、先にお話したようなミスマッチが起こることが考えられます。

 

 それを避けるため、初めてお話しするときに、まずは目的の確認、どんなことを望んで相談にいらしたのかを確認して、進めることが必要となります。

 

 すぐに話を聴いてもらいたい、すぐに解決したい、と思われるクライエントの方には、まどろっこしい手続きに感じるかもしれませんが、まず、何を求めているか、何がどうなったらいいと思っているかをうかがうことが、最終的には解決の早道になります。

 

 そして、お話をうかがい、一緒に考える、悩みを共有する、解決策を探る、という共同作業に入ります。

 

 心理カウンセリングで行うことは、この「共同作業」につきます。

 「共同作業」を通して、さまざまなことに気づき、クライエントの方がより暮らしやすくなるお手伝いをする。そのために、まずはしっかりお話をうかがう。

 心理カウンセリングはここからスタートし、ここから展開していきます。